神様をミキサーにかけながら。
あのころ屋根に登って夢をみた。
私たちは逃げた、だって生きようとした。
椎名林檎の月に負け犬を聴く。
スクールゾーンはダサい稲穂が馬鹿みたいにそよぐ、まるで「スタンツ」だ。
部活帰りでノーヘル運転。二人乗り。先生の声が聞こえてスピードを上げる。
保健室のカーテン
音楽に騙されて心地いい、特別になりたい、授業は上の空、太宰治にも騙された。私が死んでも世界は廻るけど、私が死んだら多分世界は終わるとも思う。
見えない銃弾をかわして廊下を歩かなきゃいけない。
見えてしまうから、私たちは悲しさを見せない事で、お互いを理解した。
自分を呪い、全てを呪い、大げさに愛し、大げさに憎んだ。殺風景なコメディのように。
美術室
静寂
架空の東京はもうない。
神様をミキサーにかけながら、シャープペンシルでどうでもいい公式を解いているような、そういう時間を懐かしく思った。
どんな地獄も時間は苦しみも綺麗に絡めとる。
線路に助走つけて飛び込みたいくらい、いつだって、生きようとしてた。