やすらぐ死体
待って報われたことが一度でもあるだろうか。
待ち続けた君、いつか願ったことが叶うと降伏する時間だけが幸福だった。
祈ればその瞬間は約束が結ばれる。信じるものは、信じるその時だけ救われる。
賤しくも到来しない永遠に帰属する、自罰的安寧を得る。
偶像に布施をした過去や時間は砂漠の蟻地獄のよう。
濃紺の夕闇、サハラの月を通り頼りなき心臓の血管を這いずる後悔は君を絡め取り、
誤謬から抜け出せる日は遠く過ぎ去りし。約束。エレ・エリ・レマ・サバクタニ。
待ち続けること自体はとても不幸也。なぜなら君が夢に落下している夕方間毎秒アナーキーを叫ぶ肉体は死を取り込む。精神は到達点を永劫と思い馳せる。だが君の肉体はいつだって死という一点にのみむかっている。終着点であり総ての答えだ。
待ち侘び与えられぬ幸せを待ち老いていくなら、自分自身の欲望を変えるしか無いのだ。
だから愛か執着か、君は知らなくてもいい運命に今、永久にさよならを告げるべきだ。
穏やかなる幸福を望め。諦めた今、もう泣く必要はないのだから。