「俺は太宰治じゃない」
食事を摂りにリビングに行った
父親自身の自殺願望への肯定を促され怒鳴り合いになる
父親のことは好きだが私はこの人のように憐れみも理解も要らない 私だって死にたいよ、だけど、生きてんだよと叫びたかった。だが理性とプライドがそれを許さなかった。美意識だけで生き延びた。
実の家族全員に自殺願望を告白される懺悔室或いは家庭において最弱者としての煩悶を、お前達の言う神とやらの存在を語るのなら我が心象絵画に住まう少女を見るがいい
劇薬混じったゲロを吐き セーラー服で昏睡している
かの少女を救えるのなら祈りもしよう
私の悲しみを救えない神など信じない
存在しなくて良い
ただただ一人きりで十八年間死ぬ準備をし続けて一人で嗚咽した日を忘れない
その日も変わらず、私はリビングに笑顔を用意した。
犠牲者だった頃の私が叫んでいる
もう優しくならなくて良い 怒らなくて良い 呆れて良い
そう解って居るのに優しさのふりをした弱さが私の後ろ髪引く
何故こんなに 肉親に死にたいと言われると
あいも変わらず辛くなるのだろうね
あと何度一人切りで心を殺し怒りで悲しみを誤魔化せば良いのか気が遠い
一番欲しい愛も幸せも決して手に入らないと言い切れば、絶望も自殺も敗北となる。
労働時間を増やし家族と離れる時間を増やせばと望んで要るけどそれも無理なら密やかにここを出ていくしかない
帰る場所なんてやはりなかったのだとここから飛び出した理由叩きのめされ不意に目の前が白く靄がかる